2016年6月12日

野上電車の夜

野上▲野上電鉄モハ31 登山口 1993-6

「白熱灯の世界」は最も惹かれるテーマです。
野上電鉄は全車両が白熱灯を装備し、駅施設のあちこちにも裸電球があったりしたので、私にとって魅力的な存在でした。何度も通いましたが、ほとんど深夜まで粘っています。

廃止まで1年を切った1993年の何故か梅雨時、学生時代の鉄研仲間と出かけました。「これが最後か」と張り切って、重たい6×7判も持参。
昼間は同業者をチラホラ見かけましたが、夜の帳が下りる頃には誰もいなくなりました。

雨の中、静かに発車を待つモハ31+32。この両車は珍しい管形電球をつけています。
野上









5枚窓のモハ24。こちらも管形電球を装備しています。この頃はチョコボールの全面広告車となっており、契約が終了しても廃止の日まで元に戻ることはありませんでした。  
野上電鉄
野上
こちらはグローブ球のモハ26。
野上
モハ32。発車直前になっても、乗ってくるお客はゼロでした。
▲いずれも登山口 1993-6
 
あと2、3回は来るかな・・・なんて考えていましたが、他路線へ浮気しているうちに廃止が近づいてしまいました。廃止当日やその直前の喧騒を味わう趣味はなく、実際にこれが最後の訪問となりました。
▲モハ32 登山口 1993-6

10 件のコメント:

  1. やまぐち号2016年6月12日 10:37

    幾人もの生活、人生を運び続けた古豪
    椅子、つり革、ドアの手すり・・・。
    心象写真 心に沁みます

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  2. やまぐち号さん
    ようこそ~!ありがとうございます。
    白熱灯は人をしんみりさせる力がありますね。
    時代離れした内装は好んで記録しました。走行より内部の枚数が多いくらいです(笑

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  3.  野鉄は親の実家が比較的近かったこともあり、5-6回位行ったかな? 流石にこの時期にもなると白熱灯車は希少なものとなっていましたが、こんなの見せられると、夜まで粘らなかったのが今更ながら悔やまれます。末期の野鉄の評判たるや、沿線で運転士に罵声を浴びせられただの、切符を売ってもらえなかっただの、それは酷いものがありますが、私自身は意外にも?そんなにあんまりな対応された記憶が無いので、個人的にはそんなに悪い印象はありません。電車の整備状態は酷かったですが(笑) 特にお隣の南海貴志川線1201の整備状態が素晴らしかったので余計に。

    管型電球、平成になって他に残っていたのは、叡電デナと、嵐電モボ111、121、ク201程度だったかな? 両方ともまともに撮ったり乗ったりしないうちに消えてしまいました。昔は南海伝統の座席灯の中身がこれだったようですが。流石にとうの昔に製造中止になっていると思いますが、数年前にに某老舗リゾートホテル(窓から今でも釣り掛け電車が走るのを見られる所)の鏡台の照明がこれで驚きました。

    トップランナー制度とやらで、白熱電球自体が蛍光灯諸共、近い将来葬り去られようとしていますが…電球色LED、やっぱり本物の電球とは何か違うんだよね。技術進化も早いから、直ぐに改善されてもっと再現性が良くなり、本物と区別出来ないようになるのも時間の問題なんでしょうが。LEDばかりになると、蛍光灯の光にノスタルジーを感じる時代が到来するのも近いのかな?

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  4. 雪うさぎさん
    京福のデナは沿線が風光明媚、特に紅葉が素晴らしかったこともあって、何度か通いました。
    ただ夜景を撮っておらず、そこは悔やまれるところですが・・・・

    末期の殺伐とした雰囲気、廃止までの顛末については既に多く書かれているのでここでは敢えて触れませんでした。私も個人的に特にひどい対応を受けたということことはなかったです。
    ただ、電車の整備状況は80年代末頃からひどかったですね。
    塗装のあちこちが剥げ落ちていたり、座席のモケットが擦り切れていてもそのままでした。

    LEDが侵食した現在でも、未だに店頭に電球色が半分くらい占めているのはやはりこの雰囲気は落ち着くからでしょうね。今後進化して更に本物の電球に近くなる、というのは何とも皮肉か感じがします。

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  5. 懐かしいですね、白熱灯の世界。
    登山口で下り最終電車を撮ろうとしたら、あっという間に電気消されたのにびっくりしました。

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  6. chitetsuさん
    電気をいきなりオン・オフするのはここのお家芸ですよね。
    私も日方に終電で降りた瞬間に消されて驚いてしまいました。

    写真だけだと「悠久の時間が流れる」みたいに見えますが、折り返し時間が30分しかなかったので実は三脚持って右往左往していました。

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  7. 明かり窓から漏れる暖かい光が美しい!

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  8. 三等急電さん
    ありがとうございます!
    阪神車の明かり窓は本当に惹かれますね。
    これを際立たせるには登山口のバルブが最適でした(日方では明るすぎるので)。

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  9. 白熱灯やチューブ球に照らされた大正や昭和初期製の旧型電車の車内はとてもいいですね。
    どこか洋館のような趣があります。
    野鉄廃線間際にモハ24号を用いた明治アーモンドチョコレートのCMはこの時代の電車の良さを最大限に生かしたものだった事を思い出します。

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  10. 宵闇さん
    ありがとうございます。
    木造部が多く残る車内と白熱灯との組合せは好んで記録しました。末期の殺伐とした雰囲気が色々と言われている野上電車ですが、この時はアッサリ撮影許可をくれました。
    明治のCMには大正モダンな格好をした男女が乗り合わせるシーンがありましたね。

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