生抜き木造車のほか、旧西武や京王車、珍奇な電動貨車など強者揃いだった松本電鉄でしたが、1960年代に日車標準車体に更新されてからは話題になることも少なく、地味な路線でした。
旧甲武の「ハニフ」を見るべく初めて新村車庫を訪ねたのは1976年の夏休み、長野早回り旅のルートに入れたときでした。
専用の庫で保管されていたハニフ1。
車庫でお願いすると重たいドアをギギィと開けてくれましたが、尻を覗かせているだけでした。庫内は真っ暗、「引き」もなかったのでこれだけ撮って引き返します。
▲いずれも新村 1976-7
さてそれから9年後の85年、67判でまともに記録しておこうと再訪。
顔触れは同じですがまずはこちら、モハ10形107。1番目だから11ではなく「101」、しかも奇数だけという変わった付番(偶数番は浅間線で使用)をしています。
旧信濃鉄道・WH製のED301。
貨物列車は1973年に廃止され、専ら除雪や工事用でしたが出動の機会は殆どありませんでした。現在は茶色に再塗装され整備されてはいますが籍はなく、イベントに駆り出される程度です。
筑摩鉄道時代からの駅舎。2012年、隣に新駅舎ができるまで90年近く現役でした。
日曜のせいか人気がなく「ハニフ」の方は諦めて沿線へ。新島々方に少し歩いた辺りで構えます。
あまり写欲が湧かずこれだけに終わった日車標準型でしたが、この翌年の昇圧によって東急5000系に一新されあっけなく消滅してしまいます。一時は全国に広がった「東急ガエル」の棲息分布、しかしこちらも熊本に残る動態保存車だけになりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントはフリーでお受けしています。ただし管理人判断で削除することもありますのでご了承下さい。