坪川駅のホームに座り込み、ボケーとしながら有り余る時間を過ごしていると、七戸方向から「ゴー・・・」と軽い、しかし聞き慣れない音が聞こえてきました。慌ててカメラを取り出し、望遠レンズで覗いてみると・・・
あれは何でしょうか?
野辺地方向から歩いてきたおじさんと一緒に機械のアンバイを確かめています。小さなエンジンがついていますがどうやら除草剤散布用のようで、動力は人力でした。
点検が終わると二人仲良くツーリング・・・ではなく散布作業をしながら走っていきました。
思い掛けない出会いに、妙に安らいだ気分になりました。
さて待つこと暫し、今度は本当に野辺地行がやって来ました。これに乗り込んで帰途につきます。
▲いずれも坪川-道ノ上 1996-8
野辺地に着く頃には薄暗くなっていました。
折り返して発車するレールバスを見送って打ち止めにしました。
「じゅうかん」はよく「存続すること自体がフシギな路線」と揶揄されました。新幹線七戸駅開業の暁には、連絡線として機能することを夢見ながら生き延びた・・・という話も伝説のように語り継がれています。
しかし、施設も車両も限界を充分に超えていた「じゅうかん」に、莫大な設備投資をする余喘があったか、甚だ疑問です。では、ここまで存続できた他の理由はあったのか・・・これは今もってよく分からないままです。
貴重なシーンが撮れましたね。東北とはいえ、見るからに暑そうです。
返信削除モハメイドペーパーさん
返信削除夏の七戸でまる2日はさすがにきつく、若かったとは言え最後は我慢大会のようでした(苦笑)。
所々で軌道敷の草が枯れていたので除草したんだろうと軽く考えていましたが、まさかこのように作業しているとは思いませんでした。この時は写真を撮るので夢中になってしまいましたが、盛田牧場前のアップダウンはどうやって上り下りしたのか、聞いてみたかったです。
草いきれという言葉がふさわしい光景ですね。
返信削除現代生活において失せてしまったものが、このスナップに凝縮されているかと存じます。
12号線さん
返信削除この時は一面緑に覆われた線路、という印象です。写真的には惹かれますが、裏を返せば本数も人手もそれだけ少なかったことによるものでした。すべてが手作業で原始的なこの除草作業、しかしなぜかほっとするような、こんな風景にもう一度出会ってみたいものです。