2023年3月19日

春雨の鶴見線



▲鶴見線クモハ12052 浅野 1992-4

1979年冬、鶴見線から72・73系が消えてなお残った2両のクモハ12。
これは周知のとおり、線形やホームの事情から大川支線に20m車が入線できず、彼らが引き続き1.0kmの運用をこなしていた訳ですが、その後本線の閑散時間帯用に白羽の矢が立つや、鶴見や海芝浦まで顔を出すようになりました。

この頃、JRも大手民鉄も思いつきでフラリと出掛けられる路線はもはや少なかった時代。
しかしこれのお蔭で選択肢が増え、1996年の引退まで結構な頻度で出向くことになりました。

▲武蔵白石 1992-4

生憎と雨空ながら、この日はまず浅野で下車。
本日の単行当番はリベットゴツゴツが残るクモハ12052、これはラッキーです。


▲いずれも浅野 1992-4

新芝浦に到着する鶴見行を待ち構えます。
遠くには何やら「ソ」のような物体が見えますが、立入禁止区域ゆえ近付くことはできませんでした。


▲いずれも新芝浦 1992-4

本線での活躍前から馴染みだった大川。
何度この位置に立ったか分かりませんが、いつ動くとも知れぬホキが停まっているのは毎度変わりませんでした。




▲いずれも大川 1992-4

大川で折り返しを待ちます。
現在ここに発着するのは平日9本、土休日3本と北海道のローカル線並みになってしまいました。


▲いずれも大川 1992-4

大川を発車するのを捉えて、雨の撮影行を締めることにしました。








▲いずれも大川 1992-4

さてこのクモハ12052、引退後は東京総合車両センター(旧大井工場)で長く保管されて来ましたが、昨年夏に鉄道150周年を記念して外観がレストアされ、一般公開もされました。まあ、公開といっても流行りの「お高い」有料撮影会ですが。

これに限らず、最近は参加費ウン万円という撮影会がやたらと目立ちます。
どんなに高額でも必ず申し込む好事家はいますから、JRもめっぽう強気になっているのでしょうが、それにしても商魂逞しい。一方で無料で入れるイベントと言えば、ファミリー層向けの、門前に変なゆるキャラが立っているようなヤツばかりで、これでは参加する気にもなりません。
▲大川 1992-4

3 件のコメント:

  1. こんばんは。
    焦茶色の単行電車が走っている姿に時代の感覚を狂わされるようです。
    90年代半ばまでこのような光景があったこと自体が驚きです。
    工場への通勤客の流れがおさまってしまえば、昼間は閑散としているのでしょうが、単行電車だけで足りるほどなのですね。
    ただ車両は3両に増えても、昼間の本数が極端に少なくなってしまった今、むしろ使いづらくなってしまったようにも感じます。
    (沿線住民のある弁天橋まで本数があれば事足りるのかもしれませんが)
    大川駅の側線もすっかり草に埋もれてしまっていますが、駅の雰囲気は変わることなく、今度は最新の新車を迎えるのだろうと思います。
    お写真を拝見していまして、また気儘に訪ねたくなりました。

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    1. 風旅記さん

      今回もコメントありがとうございます。
      昼間の閑散時間帯への対応から、たまたま大川支線にいたクモハ12に白羽の矢が立ち延命した、という経緯は幸運でした。現在の大川支線は地方ローカル線よりも寂しいダイヤになってしまいましたね。
      車両の世代は代わっても駅の佇まいなどはそのままで、私も駅風景をメインに撮り歩きたいと思っています。

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    2. こんにちは。
      お返事くださいましてありがとうございます。
      突然に古い車両に活躍の場ができると、違和感を醸し出しながらも、第一線で走ってこそ車両が生き生きとするように感じられます。
      私は、こちらの鶴見線の旧型国電も、例えば宇野線で走ったクモハ84形のような異様な改造車も見ることはできませんでしたが、最後まで旅客車として全うした姿には触れてみたかったと感じます。
      こうしてお写真を拝見でき、今の、これからの鶴見線を見るときにもより楽しくなれそうです。
      今後とも、宜しくお願い致します。

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