2023年7月17日

曇り空の晴れ姿

▲EF5861 黒磯 1980-10

1980年秋、ネットもないこの時代にどこから情報を仕入れたのか、ロイヤルエンジンことEF5861+1号編成のお召し列車が走ると聞きつけて東北線へ。

東大宮-蓮田などメジャーな撮影地はどこも三脚の林立でしょうから、小中学生時代によく構えた地点で安直に待ち受けることにしました。生憎のドンヨリ雨模様、先ずは先行の「はつかり」で練習です。






「ヒガハス(こういう呼び方好きではありませんが)」などと違い、ここは同業者もまばらでした。しかし流石はお召し列車、其処彼処に警察官が立っています。

といっても現在のような殺伐とした緊張感はあまりなく、カメラバッグの検分もありましたがフタをさっと開けただけで、あちらも形だけ瞥見するやさっさと立ち去ってしまいました。

▲いずれも野木-間々田 1980-10

間近で1号編成を見るのがこの時の優先課題でしたから、次は迷わず終点の黒磯へ。当然ながらここでも警官が等間隔に立ち、辺りに睨みを利かせています。

着線ホームは流石に立入り不可、しかし隣のホームを行ったり来たりしながらカメラを構えても追い払われることはありませんでした。待つこと暫し、先ほどの編成が静々と入線して来ました。
▲黒磯 1980-10

到着すると直ぐに機関車の切り離しです。

▲いずれも黒磯 1980-10

本日の主目的はこちらの客車。
61号機は臨時や団体列車で見る機会が結構ありましたが、彼らに会う機会はこの日しかありません。

20系をベースに1960年に登場した御料車は3代目1号を名乗っていました。
窓枠や上下のラインには本物の金箔が貼ってあるそうですが、この位置まで何の問題もなく近付くことができたのは今もって驚きです。菊の紋章は既に外されていました。





御料車の脇を固めるのは供奉(ぐぶ)車。
両端にいる460形(460・461)も御料車の前後にいる330形(330)・340形(340)も、諸処改造されてはいるものの1931-32年に登場したベテランです。460は電源車に改造されています。



▲いずれも黒磯 1980-10

黒磯以北ではまだまだ多数派だった旧型客車も押さえておきます。




▲いずれも黒磯 1980-10

61号機が転線、上野方に付けられます。これであとは戻るだけになりました。

▲いずれも黒磯 1980-10

さてこの1号編成、未だ現存するも整備はされておらず、お召し列車任務もE655系に取って代わられていますから、もう走ることはないのでしょう。今後の去就が気になりますが、特に供奉車は保存例がなく、一般用に格下げされるか事業用に改造されるかでしたから、まとめて博物館入りを期待したいところです。

こちらは回送列車発車前、最後に61号機と記念写真。
任務を無事に遂行したお蔭か、駅員さんにも61号機にも安堵の表情が見えました。


▲黒磯 1980-10

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