フィルム時代は露出アンダーで仕上がり真っ黒・・・は序の口で、感度(ISO)を間違えて1本丸ごと眼も当てられず、なんて失敗もしばしばでした。暗室ワークでの救済にも限界があり、数種類の印画紙と引き伸ばし用フィルターを駆使して強引に画にしたところでトーンが崩壊したりします。
しかし、長年忘却の彼方だったこうした失敗作にも、再び光を当てられるようになったのはまさにデジタルの恩恵。ソフトであれこれ補正を繰り返してみると、印画紙時代より深い陰影が表現できることも分かってきました。
▲特にモノクロのトーン表現に威力を発揮 上:中塩田 下:別所温泉 1986-9
こちらは1985年夏の足尾線からの帰途、何故ここに寄ったかは忘れましたが、陽がとっぷり暮れた上毛電鉄大胡駅。この頃は旧西武デハ351+クハ1141コンビに席巻され、カナリア電車は貨物用などに僅かに残るだけで、まさに風前の灯火でした。
これらのカットは極端な露光不足ながら、強引に補正しても何とかトーンが持ち堪えています。やはり低感度の原版(6×7判)の面目躍如でしょうか。
▲いずれも大胡 1985-8
暮れ泥む中、定位置で休むデハ101。
辛うじて残された任務は平日朝の1往復と貨物の牽引でした。
▲大胡 1985-8
デハ101はこの後塗色がオレンジ→緑とグレーのツートン→現在の茶色と目まぐるしく変わり、更に内装も復元されます。
▲いずれも大胡 上:1980-5 下:1989-5
彼を含め、戦前の強者揃いだったこの時代には残念ながら片鱗しか触れることができませんでした。
▲大胡 1962-12
▲西桐生 1973-8
▲大胡 1974-3
さすがにここも地元ですので、思いで深いですねぇ~
返信削除デハの牽引する石油タキは何度か見た記憶があります。さすがに写真はないですが、、、
平日の朝、大胡と中央前橋を行き来するデハは、上毛電鉄沿線の高校に通っていましたので、毎日見ていました。
大胡駅の何となく猥雑な雰囲気、懐かしいですねぇ~
ティーレマン・ファンさん
返信削除デハ101貨物の現役時代は残念ながらお眼にかかれませんでした。
上毛線は小学校時代からの馴染みでカメラも持たず乗りに行ったりしたこともありますが、壮絶な揺れは未だに憶えています。デハ81も旧国電も旧青梅も現役でしたが、碌な記録を残せなかったのはまさに痛恨の極みであります(苦笑)。