静岡鉄道秋葉線のデンシャは開通以来の強者を叩き直しながら1962年秋の廃線まで活躍。その間、車体や屋根、パンタ、台車などほぼ全てを自社で更新したというのも特筆すべきですが、その結果このような愉快な電車が誕生しました。
中学時代、故吉川文夫さんの写真で衝撃を受けてからというもの、彼らに強く惹かれてきましたが、ここまで個性的なデンシャはあまり例がないのではないかと思います。
さて、こちらは遠州森町の少し手前で撮影したようで、RMライブラリーNO18「静岡鉄道秋葉線」の表紙カットと同地点です。
中間では唯一の有人駅で、車庫や変電所を構えていました。
模型のような佇まいの車庫。左が本線で、右端の建造物が変電所です。
モハ8はブリル21-Eタイプの単台車を自社で改造した、珍奇なボギー台車を履いています。
今回は期せずして垂涎の世界の一端に触れることができた訳ですが、原版の傷みは見た目以上。ビネガーシンドロームによる強烈なカールと硬化に加え、変色・カビ・キズと補正要件のオンパレードでした。