▲上信電鉄デキ2 千平-下仁田 1992-2
1992年早春のこと、例によって上信電鉄の本社に電話して、明日のデキ貨物は如何にと聞いてみると「上りが帰ってくるだけ」の由。月・水・金に1往復が基本のデキですが、日によって片道だけの時もあり、勿論ウヤの日もありますから事前の確認は欠かせません。
少し迷いましたが老い先短いデキ貨物、動く機会は逃したくなくやはり出掛けることにしました。時間に余裕のある今回は、まず高崎で昼寝中の電車を瞥見。派手な塗装のデハ250形はこの後間もなくピンク基調に変身します。
▲いずれも高崎 1992-2
1本だけとなると場所選びに迷いますが、結局この日も千平で下車。
いつもはデキと乗る電車の「追いつけ追い越せ」で、撮り終わるや次の電車で追い越して待ち伏せ、直ぐに撤収してまた次の電車で・・・という慌しさも今回はなく、至ってノンビリと待つことができました。
▲南蛇井-千平 1992-2
▲いずれも千平-下仁田 1992-2
線路端を歩き回っていると、頭上に道路のガードレールが少しだけ見え、ならばあそこからこちらも見える筈と迷わず坂を登ってみます。
ネットも「ぐるぐるマップ」もない時代は、1/25000の地図片手に沿線を徘徊して撮影ポイントを物色するのが常でした。国鉄・JRのように撮影地ガイドが碌にない地方私鉄は探すのも一苦労でしたが、半面思いもよらない場所に立てた時の快哉もありました。
列車が陰ってしまいますが、デキの来る頃には先頭に陽が当たるハズ・・・と確信してこのまま粘ることにしました。
▲いずれも千平-下仁田 1992-2
本日の主役が登場。
予習と同じく2台体制で構えます。イメージしたとおり、枯野が低い陽に輝きました。
これだけでも満足でしたが、欲を掻いて次列車で根小屋へ。
三脚をセットするヒマはなく、2台を手持ちで構えます。息を切らせながら南高崎方で待ち受けていると、西日を浴びながらやって来ました。
▲南高崎-根小屋 1992-2
引き付けてしつこく連写。
サイドが一瞬だけ光りました。
▲いずれも南高崎-根小屋 1992-2
こうして呆気なく終了。
やはり片道だけでは物足りませんが、春のような陽光に恵まれた一日でした。これであとは帰るだけとなり、委託のおばちゃん駅長に切符を所望です。
▲根小屋 1992-2
帰りの列車を待ちながら、これも恒例になった通学生らをスナップ。
それも直ぐに終わってしまい外でノビをしていると、足元で何やら修行のようにじっとしている客がいます。人馴れしているようで、撫でても眼を細めるだけで逃げようとしませんでした。
しかし「何だよオイ、日向ぼっこの邪魔せんといて」と言われているようで、これ以上チョッカイを出すのは止めました。