2023年5月28日

斜陽の「ヌシ」

▲EF572 宇都宮運転所 1974-10

「最も好きな車両は?」と質問し合った回数は数知れず、元鉄道少年だった方なら誰しも経験があることでしょう。
何十年もデンシャを追い掛けていると好みも変わってきますが、管理人の場合、この50年不動のベスト5に鎮座しているのは「583系」と「20系客車」、そして「ゴナナ」になります。

しかし彼らが東北線を飛ばしていた時代は、まだカメラを持って間もない頃。
当時は間近で息吹を感じ、前面アップを自分のフィルムに焼き付けておけば満足でしたから、パンタを下げていようが停まっていようが気にすることもなく、力行シーンは押さえぬまま終わってしまいました。
▲宇都宮運転所 1975-2


▲臨時急行「ばんだい」か? 宇都宮 1975-10

こちらは早朝、一関までのロングラン「123レ」を牽く3号機。
従うはもちろん旧型客車で、スハ32やオハ61など茶色のやつもずらりと繋いでいました。下の8号機は青森からの「津軽2号」です。

▲いずれも上野 上:1975-10 下:1974-8

ネグラだった宇都宮運転所。
一声かければ構内を自由に動き回ることができた時代で、車体に触れたりデッキに上がったりしながら、時間の経つのも忘れて楽しい一日を過ごしました。

▲いずれも宇都宮運転所 上:1974-10 下:1975-2

1975.3ダイヤ改正で全機が引退した先輩格のEF56。
ゴナナ同様に東海道線の優等列車で鳴らした後は東北線に配転、しばらくは客レを牽いていたものの、最晩年は荷物列車専任となります。しかしその役目もEF58に譲り、引退を前に寝ていることが多くなっていました。



▲いずれも宇都宮運転所 1975-2

8号機からは箱型車体に変わり、以降このデザインはEF57、更にEF58へと引き継がれていきました。


▲いずれも宇都宮運転所 上:1974-10 下:1975-2

ところで冒頭カットの2号機。
特段狙ったアングルではなく、車庫の奥に押し込められていたのをギリギリのフレームで撮ったカットでした。しかしこれが怪我の巧妙というか、図らずも深い陰影と迫力のある構図になり、今に至るまで最もお気に入りの1枚になっています。

下のカットは「改めてカラーで二匹目のドジョウを」と企んで、同じ位置にいた4号機を同じようにしゃがみ込んで撮ってみました。
しかし、やはり光線や角度が微妙に違うのか、どうにもうーむな出来に・・・やはり写真というものは「一期一会」です。
▲宇都宮運転所 1975-2

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントはフリーでお受けしています。ただし管理人判断で削除することもありますのでご了承下さい。