2023年12月24日

炭鉱電車の春 その2

▲三井石炭鉱業ホハ202 原万田-大平 1981-3

さて、ようやく初見参の興奮から落ち着きを取り戻して来ました。
本線・玉名支線とも結構な間隔でやって来るので、あまり沿線をうろうろ出来ません。取りあえず時刻表を睨みながら、両線の「二兎」が捕まる分岐点近くに陣取ることにしました。

ここでロクサン客車の尻も忘れずに押さえておきます。
戦後の混乱冷めやらぬ当時から変わらない姿で走り続けるというのも驚くべきことですが、一般客を乗せない専用線という点が奏功したのでしょう。

▲いずれも原万田 1981-3

客車の合間に貨物も頻繁にやって来ました。
東芝戦時設計の45t機、ちょうど2灯化の過渡期にあったようです。




▲いずれも原万田-妙見 1981-3

Bロコが20m級客車を牽く姿は健気ですが、石炭満載のセナの入換えに比べればたやすいのでしょう、軽々と快走しているように見えました。

▲いずれも原万田-大平 1981-3


▲いずれも原万田-妙見 1981-3

もう一度玉名支線の31号を捉えて、ようやく場所を移動します。


▲いずれも原万田-大平 1981-3

原万田の隣、大平駅の近く。
小高い丘に上がってみると、荒尾の街が一望できました。
▲原万田-大平 1981-3

上のカットから振り返った所が大平駅。
これにてタイムアップ、釣果に大満足しながら三池を後にしました。


▲大平 1981-3

▲大平-宮内 1981-3

夢ウツツから冷めやらぬまま、ほんの一時だけ熊本電鉄を覗きます。
本日の上熊本支線の当番は旧南部のモハ120形。三池の客車に衝撃を受けた後では、無骨な電車も随分と大人しい姿に見えました。

そしてこの後は、高千穂合宿。
合間の自由時間は、日本一高い鉄橋として名を馳せた高千穂橋梁をのんびりと眺めました。

▲いずれも上熊本 1981-3

▲深角-天岩戸 1981-3

三池の強烈な印象は後々まで尾を引き、改めて三池港ヤードを始め全線くまなく探検することを誓いながら、九州の旅を続けました。しかしもとより気軽に訪問できる地ではなく、モタモタしているうちに時間だけが経過、再会なったのは10年以上経った92年冬のことでした。

そしてこの訪問後、程なくして三池鉱山自体が閉山、専用線も運命を共にします。夕張と共に殷賑を極めた我が国最大の炭鉱も、ついに歴史の幕を下ろしました。全線くまなく探検・・も見果てぬ夢に変わりました。

最後の運炭鉄道 →→→ その1 / その2 / その3

カラーはこちら →→→  その1 / その2


▲原万田 1981-3

4 件のコメント:

  1.  三井三池鉄道は「クセが強い」の一言に尽きます。どう見てもロクサンの流用車体にしか見えないのですが、一応、日車製の「新型車両(客車?)」とのこと。しかし、よくよく見ると、ベンチレーターの形状や設置数にオリジナルの国鉄63系電車との違いが垣間見えます。

     当時は所謂「戦前型」の旧型国電に入れあげていたため、高校生になってからアルバイトで得た金は全て旅費、フィルム代及びプリント代に消えました。今なら飛行機を使って弾丸ツアーができるのですが、時すでに遅し…。

     機関車は結構保存されているようですが、客車はあまり残っていません。特に戦時設計が忌み嫌われた「ロクサン」形は真っ先に潰したかったようです。

     これからもワクワクする投稿をお願いします。

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  2. モハメイドペーパー2023年12月25日 21:35

    専用線だから場所的な制約もあると思うけど、発表された写真はほとんど同じアングルです。俯瞰撮影で街並みが見えていたり、原万田以外の駅の写真は貴重だと思います。
    ロクサン形客車は付随車用の長軸台車なのが珍しい。私鉄向けロクサンはすべて電動車仕様でしたから。

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  3. hayakazeさん

    自分も含めてこの頃のファンのとって「旧型国電・旧型電機」の優先度が圧倒的に高かったと思います。私も末期の身延線や大糸線には随分と通いましたし、電機はゴハチを追いかける者が多かったですね。ホハ200形は戦後の一時代を築いた立役者でしたから、1両くらい残して欲しかったです。

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  4. モハメイドペーパーさん

    ありがとうございます。たまたま原万田の隣まで歩いただけですが、撮りたい対象が山のようにあった当時では1路線に時間を費やせず、これで撤収したのが残念です。今でしたら丸1週間かけてそれぞれの終点まで歩き通したいところです。
    ホハ200形は国鉄サハ78と同形といわれますが、新造時に三池が「台車も国鉄と同じようにしてくれ」と注文したのかも知れないですね。

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