▲京阪電鉄122 上栄町-浜大津 1992-9
大津線の路面区間で撮りたいけれど、東山三条近辺以外で気軽にというとやはりこの場所。三井寺方向、Sカーブを描く狭い道路に惹かれてこの時は随分と粘っています。
暑さにめげそうになりながらボーとしていると、何やら遠くに黒いデンシャが。
もしやこれは・・・と望遠レンズで覗いて見ると、電動貨車122の姿が近付いてくるのが見え慌てて構えます。
浜大津でUターンしたと思いきや、カメラを持ち替える間もなくあっという間に行ってしまいました。
しばらくこのカーブで陣取りました。
あわよくば2匹目のドジョウ(122以外)、来る訳がないのは分かっていても期待してしまいます。
▲いずれも新栄町-浜大津 1992-9
やって来るのは600形や700形ばかりで、今考えるともったいない話ですが段々と飽きてしまい、予定を切り上げて錦織車庫を覗いてみることにします。丁度いい按配の場所に122が止まっていました。待てど暮らせど来なかった260・350形一派も昼寝の真っ最中でした。
許可を貰い、ぐるぐる観察して回ります。122の経歴は非常にややこしく、「私鉄電車のアルバム(交友社刊)」によると、1934年に有蓋車2002(2004との説あり)として竣工するも、その後戦後の復旧・改造を経て大津線にやってきたとのこと。かつて京阪には珍奇な電動貨車がぞろぞろといましたが、83年に本線系が昇圧すると一気に淘汰され、この122が唯一の存在でした。
路面を走る電動貨車・・・これほどインパクトのある体験はあまりしたことがありませんが、昔は各地で展開された光景だったのでしょうね。