▲同和鉱業片上鉄道1レ 河本-備前矢田 1991-3
さて、ストーカーのように執拗に追い駆けてきた1レ、最後はまたも中山駅近くへ。
立ち上がる霧とその隙間から差してきた陽が幻想的なシーンを現出、最後の片上行に相応しい画になりました。
▲いずれも清水-中山 1991-3
片上駅を覗いてみると、任務を終えた1レが入換え中です。
客車の布陣は木造鋼体化車のホハフ2000形3両と旧国鉄オハ35のホハフ3000形2両。末期の1レ・2レは2両もあれば充分でしたから、完全に役不足でした。
▲いずれも片上 1991-3
入換作業を見届けると沿線へ。
川霧もすっかり晴れ、前日と違って早春の陽光が心地良い1日になりました。
▲河本-備前矢田 1991-3
前日も構えたポイントで。今日は昼の単行運用でも702が大活躍です。
▲いずれも益原-天瀬 1991-3
▲いずれも河本-備前矢田 1991-3
吉ケ原に入線する702。
「片上仕様」ともいうべき鋭角屋根が特徴的なこの駅舎は、周匝・美作飯岡・柵原と吉ケ原にありました。吉ケ原は廃線後も「柵原ふれあい鉱山公園」の拠点として整備され、2006年には登録有形文化財に指定されています。
▲いずれも吉ケ原 1991-3
上の列車が柵原から折り返して来るところを美作飯岡寄りで構えます。田植え前の田圃に影を落としながら、ゆっくりと去っていきました。
▲上:天瀬 下:益原-天瀬 1991-3
大きく弧を描くホームが印象的な清水駅。
右側には交換駅だった時代の対向ホームと線路敷がそのまま残っています。去っていく702が視界から消え、これにてタイムアップです。
前日の早朝、雨の和気駅でポツンと待っていたのがこの702。そして最後を締め括ったのも702。これまで肘鉄を食らうばかりの彼でしたが、最終回は最後まで付き合ってくれ、名残を惜しむには充分でした。
吉ケ原駅跡に誕生した「柵原ふれあい公園」では保存車12両の殆どが動態保存。
303・702の動く姿を今一度見たいと思い続けるも、アクセスの悪さと運行日の少なさもあって未だ叶わずです。岡電訪問と兼ねて再訪を企んでいるところですが、再会した途端に「随分とご無沙汰やな」と叱られてしまいそうです。