2016年8月2日

旧松尾鉱業 ED50 

デキ107▲秩父鉄道デキ107 三輪鉱山 2014-2 

秩父鉄道デキ107・108は、デキ100形の一角ながら自社発注の他機とは全く異なります。
その出自は松尾鉱業鉄道最後の新製車、1951年製ED501と502。
72年の同線廃止と共に秩父へやってきますが、長大な鉱石列車を牽引でき急勾配に耐える設計であったため重宝されました。

こちらは茶色時代のデキ107。この頃はデキ500形以外は全機が茶色塗装でした。
デキ107▲デキ107 影森 1976-7 

2014年の早春、秩父太平洋セメント・三輪鉱山の入換えシーンを狙いました。
大正末期に操業を開始した歴史ある石灰石鉱山ですが、現在の定期運用は平日3往復にまで減ってしまっています。

機関車は共通運用のため何がやってくるかは運任せですが、幸先よくまずデキ107がやって来ました。到着するとすぐに切離し、入換え作業開始です。
ここのヌシ的存在である入換機・D502も忙しく動き回ります。
デキ100
デキ107
三輪鉱山
太平洋秩父セメント
▲いずれも三輪鉱山 2014-2

三輪鉱山は影森から分岐し、急勾配を一気に駆け上がった奥にあります。
約1㎞ながら山深い雰囲気が好ましく、残りの2往復もここで待ち受けました。
デキ100
秩父デキ500
▲いずれも影森-三輪鉱山 2014-2

朝の3便が行ってしまうとオシマイ、本線へ転戦です。
C58でもお馴染みの場所で構えていると、先ほどのデキ107が戻ってきました。冬季は架線の霜取りを兼ねて2丁パンタで走ります。
デキ107▲樋口-野上 2014-2
 
デキ500
▲波久礼-樋口 2014-2

ここで塗装について興味深い話を一つ(Wikipediaから抜粋)。

「秩父鉄道への譲渡後、これら2両については一旦は茶色一色に裾部白帯という当時の標準色に変更されたが、譲受時の青に白帯という鮮やかなカラースキームは秩父鉄道の関係者には魅力的に見えたらしく、譲受の約4ヶ月後に竣工したデキ500形にそのまま採用された。その後、デキ1形やED38形を除く全電気機関車についてこの塗装が標準採用された・・・・」

松尾時代の塗色がリバイバルされ、戦後製の全機に影響を及ぼしたということになります。
デキ108▲デキ108 和銅黒谷-大野原 2013-11

60年以上も第一線で働き続けた両機ですが、デキ107は2015年の春を待たずに引退しました。
松尾唯一の生き残りとなったデキ108には頑張ってもらいたいものです。
デキ100
▲デキ108 波久礼-樋口 2013-11

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