2019年4月3日

片上夏景 その1

▲同和鉱業片上鉄道キハ702 吉ヶ原 1990-8

遠隔地にありながら、幾度となく通った路線の一つが片上鉄道。
キハ04や07の残党がいるのもさることながら、沿線の風光や個性的な駅舎群にも惹かれました。今回は1990年夏のこと、過去2回の訪問でキハ07に会えなかった雪辱戦からお送りします。

岡山に投宿して丸2日間腰を据えたこの時は、一目で気に入ってしまった益原付近の田圃に早朝から陣取り、1レをメインに立て続けに粘りました(→ こちら)。
▲いずれも益原-天瀬 1990-8
 
本数は少なく2時間に1本程度、乗ってしまうと撮れないため脚力がモノを言います。
田園風景を堪能した後は隣の天瀬まで歩くことにしました。
 
今回こそキハ702の登場を願いたいところですが、この日も小坂からやって来たキハ801や自社発注の312が行ったり来たりでした。

天瀬は僅かな集落があるだけの山里の風情で、益原と共に気に入ってしまった駅の一つ。列車は少なくても、辺りを徘徊したりホームに座り込んだりしていると、全く退屈するということはありませんでした。
▲いずれも天瀬 1990-8 
 
▲いずれも益原-天瀬 1990-8
 
天瀬駅舎。
国鉄ローカル駅の縮小版といった印象で、清水や苦木も同タイプでした。
正面入口(駅舎左側)の場所は崖になっており、足場が全くないフシギな立地です。ホーム伝いにやって来ないと待合室に行けない構造ですが、これは他駅と同じ意匠の本屋を無理やり狭い敷地に建てたせいかも知れません。
▲いずれも天瀬 1990-8
 
更に隣の河本へ。駅近くの道路橋から、ノンビリと揺蕩う吉井川との組合せを狙います。
▲いずれも河本-苦木 1990-8
 
弧を描くホームに桜の大樹がこの駅のポイントでした。
河本駅舎。
ペイントされていないせいでしょうか、天瀬とはちょっとテイストが違います。
無人化久しいながら、くたびれた印象はありません。これは他駅も同様で、乗降が少ないお蔭かも知れませんが、塵一つ置いていないほど清掃が行き届いており来る度に好感度がアップしてしまいます。
▲いずれも河本 1990-8
 
さて、ここで漸く列車に乗り込みました。
次は周匝で下車、第二吉井川橋梁を見下ろせる「茶臼山城址公園」まで1時間半の山登りです。これで3度目ですが、この日も名物の川霧に濁った水流・・・となかなかうまく行きません。
▲河本 1990-8
 

▲山登りの成果は落第点でした 美作飯岡-吉ヶ原 1990-8
 
山のてっぺんで風に吹かれながら石のごとく粘るも、どうやら今回も07は動かないようでちょっとガッカリして下山。ド定番の第二橋梁の端っこに陣取ることにします。

陽も傾いてもうタイムアップか・・・と思いきや、次にやって来た柵原行はキハ702。312と交代しての登場で、慌てて構え直しますがあっという間に行ってしまいました。
そろそろ引き揚げようという予定を急遽変更したのは言うまでもありません。

・・・次回に続きます。
▲尻を追いかけます 周匝-美作飯岡 1990-8 

12 件のコメント:

  1. 1970年代は片上のキハ04も07も
    運転席下に移設した前照灯が不評でした。
    印象が原型と大きく異なるからでしょうね。
    (別府のキハ101も同じ理由で不人気でした)
    でも90年になっても04や07が現役なのは
    今から思うと凄い希少価値です。

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  2. にぶろくさん

    303や702の腰ライトがうーむな状態で、私も最初は関心が向きませんでした。
    関東鉄道や水島臨海などにきれいな04や07が多数いたせいかも知れないですが、いつの間にか消滅するか原型を留めぬほど改造されしまい、下ライトが何たらと言っていられなくなりましたね(笑)。

    片上は沿線風景が素晴らしく、キハもこれに溶け込んでいたので最後は全く気になりませんでした。

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  3. 下ライトが何たら…
    おっしゃる通りです(笑)
    そんな贅沢を言ったらバチが当たるくらい
    片上鉄道は素晴らしいsceneryに満ちていましたね。

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  4. にぶろくさん

    沿線風景の素晴らしさは何度も通ってしまう原動力でした。
    展望車ホハフやキハも勿論ですが、片上のヤードや三角屋根の駅舎も惹き付けられる大きな要素でした。
    今こう言ったローカル私鉄の魅力を凝縮した路線、本当になくなりましたね。

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  5. 昔の余談ですが、
    東京で合コンした女子大生が岡山出身だったので、
    岡山のどこ?と聞いたら
    「柵原ってところ」と言うので
    お父さんは同和鉱業でしょと聞いたら
    ドンピシャ正解でした。
    何で知ってるの・・と不気味に思われました(笑)
    運転免許を見せてもらったら
    その子の本籍は秋田県小坂町だったので笑ってしまいました。

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  6. にぶろくさん

    これはびっくり、小坂から柵原へ事業所の異動だったのでしょうね(笑)。
    出身地ネタは鉄道好きの得意分野ですね。市町村名では分からなくても、「何線の何駅」で大体分かりますから、私も随分と活用しました。後三年や加世田や妹背牛など数えきれません(笑)。

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  7. その女の子にはキハ801と名付けたかった(笑)
    なんでも言い当てる鉄ヲタは気味が悪いのか
    その後連絡はありませんでした(笑)

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  8. にぶろくさん

    私なら断然キハ702と名付けます(笑)。
    詳しすぎる鉄オタは、一般からするとやはり不気味なのでしょうね。
    出身地だけ当てて終われば良いものを、隣の駅は何たら・・・などと余計な話を始めるのが遠ざける原因でしょう(笑)。

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  9. その女の子からすれば
    実家のある岡山のど田舎に何度も行ったことがあると言われた上に、
    遠くの本籍地の事まで詳しく知っている初対面の男なわけですよ(笑)
    気持ち悪くてご遠慮したくなりますね、普通は。
    彼女の成育歴=キハ801の来歴です(笑)

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  10. 片上といえば、04や07のイメージ強いです。
    801現役時代は寒冷地向けと思ってましたので、撮りたいという気があまりおきなかったのですが、こうしてみると、イイなという気がしました。

    何より「小坂」というフレーズ、何となくですが親近感覚えます。

    今考えるもったいなかったです。

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  11. にぶろくさん

    なるほど、小坂生まれの岡山育ちという訳ですね(^_^)
    初対面なのに詳し過ぎてストーカーみたいに映ったことでしょう。私も心しなければ(笑)。

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  12. maru-haどの

    私は小坂というフレーズには何故か神々しさを感じてしまい、秋田には足を向けて寝られません!

    それはともかく、片上線はとにかく車両より沿線風景に惹かれてしまい、何度も通う羽目になりました。無論07・03に分がありますが、最後は気にならなくなりました。
    追伸、また切符をアップ予定です。お楽しみに~!

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